校長メッセージ

同じ志を持つ「楽友」とともに 

 桐朋女子高等学校音楽科は、校名に「女子」という言葉が入っていますが、小澤征爾氏が第1期生であることからもわかるように、創立当初から男女共学の学校です。

 「音楽科」、つまり音楽教育に特化した学校なので、音楽の専門科目が充実しているのはもちろんですが、音楽以外の普通科目を学ぶことも大切にしています。

 芸術のどの分野にも当てはまることだと思いますが、豊かな表現を可能にするためには、自分が専攻する分野の勉強だけでなく、あらゆる分野について幅広く学ぶことが必要です。高校という学齢期に誰もが学ぶ機会を与えられている教科・科目の知識・技能を身に付け、音楽以外の芸術にも触れ、様々なジャンルの書物を読み、他者と言葉を交わしてください。

 ここには、同じ志を持つ人たちが集まっています。同じ学校でともに学ぶ友とのことを「学友」と言いますが、音楽科の「学友」は「楽友」と言ってもいいかもしれません。義務教育修了後すぐに音楽の道に進むという大きな選択をした人たちです。音楽の楽しさと厳しさを共有する者同士、競い合い、高め合う仲間として、互いに切磋琢磨してほしいと思います。

桐朋女子高等学校

校長 内田 美保子

高校部長メッセージ

桐朋で音楽を学ぶ

 「音楽を学ぶ」ことは、決して「音楽だけを学ぶ」ことではありません。

 あなたはいま、音楽を表現しようとしています。何が必要でしょうか。

 例えば「言葉」。私たちは、言葉でものを考え、行動しています。音楽について考えるのも言葉です。言葉は、その人の音楽を表しているとも言えます。音楽を表現するためには、まず、言葉が必要なのです。

 そして、音楽を作る仲間たちを結ぶのも「言葉」です。仲間たちと共感しあい、時にはぶつかり合いながら音楽を作っていく。その時にも言葉を使って、コミュニケーションしていきます。

 そこで交わされる言葉には、もちろん、音楽の専門用語が飛び交うでしょう。ソルフェージュや楽典、音楽史を学ぶのは、音楽家同士に必要な「共通言語」を得るためなのです。

 桐朋女子高等学校音楽科には、そのような学びの場が、建学の精神のもとに脈々と受け継がれています。皆さんと学ぶ喜びを分かち合える日を楽しみにしています。

桐朋女子高等学校音楽科

高校部長 森山 智宏